葬儀の費用は、終わってみるまでわからない

葬儀の費用の総額は、終わってみるまでわかりません。
しかし「100万円から120万円くらいまで」などと予想をつけることはできます。開式前にどれくらいの金額を覚悟しておけば良いのか目安はつくのです。

現在、葬儀業界は競争も激しく、価格は平均化され、悪徳業者もあまり見かけなくなりました、知名度、信用のある業者を選んでおけば「話が違う」ということもないでしょう(どんな担当者になるかわからないという人的な面での当たり外れが大きいということの方がむしろ大きな問題です)

それでも、素人なりに、わからないなりに内容を把握したいという方のため、費用について、できる限りわかりやすく説明するということに挑戦します。

金額の算出方法

料金の見積りには、
セット料金(「一日葬プラン」「家族葬プラン」などの一式料金型)
項目積み上げ型
の二種類があります。

A社 セット料金(例)
家族葬プラン
■生花祭壇幅2m 2段
■棺・棺用布団桐八分
■仏衣一式
■白木位牌大中上
■骨壺・骨箱白・桐・覆い白
■ドライアイス 4日分
■受付セット 通夜式・告別式
■焼香セット 通夜式・告別式
■遺影写真セット フレーム付カラー2枚
■会葬礼状2日間で合計60枚まで
■搬送病院から安置場所 ~最長50kmまで
安置場所から式場 ~最長50kmまで
式場から火葬場 ~最長50kmまで
■式場使用料 10万円(税込)まで
■安置施設使用料 4日分
■親族控室 通夜式・告別式
■枕飾り一式
■自宅飾り一式
■線香・ろうそく各2箱
■司会スタッフ 通夜式・告別式
■運営スタッフ通夜式・告別式
■手続き代行火葬手続き
セット料金 498,000円(税別)
B社 項目積み上げ型(例)
家族葬プラン
■生花祭壇幅二間、二段200,000
■棺・棺用布団桐八分55,000
■仏衣一式7,000
■収骨容器白・桐・覆い白16,000
■ドライアイス7,500×4日分30,000
■受付用品3,000
■遺影写真大・小25,000
■搬送病院から安置場所まで19,650
安置場所から式場16,300
式場から火葬場16,300
■式場使用料2日間150,000
■安置施設使用料8,000×4日分32,000
■自宅飾り壇一式15,000
■施行・進行スタッフ@22,000×2名×2日間88,000
■手続き代行火葬許可証サービス
■休憩室料金星の間23,650
■火葬料金最上等59,000
■通夜料理10名様セット「橘」55,000
■懐石膳「水連」4,500円×1045,000
■会葬御礼品タオルハンカチ(礼状、塩付き)1000×20※使用分のみ精算20,000
合計金額875,900円(税別)

両者を比較すると……

ホームページ、パンフレットには、葬儀に必要なもの一式パッケージ料金で提示されています。
ただし、火葬料、布施、飲食費など必要不可欠料金含まれてはいません。
寝台車の距離、式場使用料、スタッフの人数も確定していません。
場所・日時、内容を決めないと算出できないからです。

セット料金は、そば屋のメニューにたとえたらかけそば、または具の入っていない塩むすびのような最低限の内容で安さを強調していることが多いです。

つまりは、
日時、式場、規模、内容が決まれば、
「セット料金」は「項目積み上げ型」に近づく

総額が試算できるということです。

セット料金に「含まれていない項目」

場所、日時、内容が決まらなければ具体的に算出できない項目寺院への布施は、セット料金に含まれていないことが多いです。

  • 火葬料金、休憩室料金
  • 寺院への布施
  • 会葬者への礼状、返礼品
  • 飲食の代金
  • 供花の代金
  • 外装費(外部のテント、看板、音響設備など)

    などがあります

葬儀社の担当者と打ち合わせ、お寺の住職と相談しなければ、上記の金額は明らかになりません。
最終的な総額を出すことはできません。

セット料金の追加費用

セット料金に記載されている条件の日数、数量がオーバーすると追加費用が発生します。

  • 自動車関連 
    セット料金には搬送の回数、距離「4回、50Kmまで 等」の条件があります。
    車両のグレード、台数、距離によって金額が違ってきます。ハイヤー、バスなどを2日間チャーターするとそれなりの金額になります。自家用車しか使わないとするならば安く抑えられます。
  • 式場使用料
    式場使用料「上限金額10万円まで 等」の条件に注意してください。
    公営と民間では大きく金額が違ってきます、どこを使うかによって数十万円違ってくることがあります。
  • 遺体の保管料
    遺体の保管料、ドライアイスが2日分、などの条件を超えるとこれも追加費用がかかります。式場、寺院の都合で一週間待たなければならないということも珍しくはありません。

    数社での相見積もりを比較するのなら、
    金額に含まれている項目の条件を確かめてください。

    総額でどうなるのか?選ぶポイントだと思います。

葬儀費用を仕分けする

葬儀費用を仕分けするにあたって、

  1. 当日、開式前に確定しているもの
  2. すべてが終了してから確定するもの

1.以外の2.についての振れ幅がどれくらいかを予想しておけば、
後々、トラブルになったり困ったりすることがなくなると思います。

葬儀費用ポイント

開式前に確定する、しなければならない項目

寺院、僧侶への布施

戒名料、読経料、お車代、お食事(持ち帰り弁当)など細かい項目に分割されますが、総計で「お布施」としてどれくらい渡せば良いのかを当日までに決めていなければなりません。
(※その後の四十九日法要、納骨などはここでは考慮していません)

葬儀式に関わる費用

通夜・葬儀、当日までに掛かった費用
  • 病院から自宅(安置所)までの搬送費
  • 必要ならば式当日までの保管料、ドライアイス代など
通夜・葬儀施行のための費用
  • 式場使用料
    使う式場自体を借りるための料金
  • 式場内、祭壇にまつわる一式
    故人の棺、花、焼香する台、仏具、写真、幕などなど……葬儀のために葬儀社が持ちこんだ一切のものの費用
  • 式場外、外装費
    必要ならば、看板、テント、ストーブ、案内係など……式場外の外装費が大きく掛かる場合があります
  • 搬送費
    霊柩車、バス、ハイヤーなどの運賃

    その他、細かく見ていくとキリがありませんが上記のようなものがあります。

終了してから確定

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  • 料理、酒

    会食にまつわる費用は小さくはありません。会葬者の人数が多ければ料理を追加することがあります。また弁当を発注する数も間際まで確定しないことが多いです。
  • 返礼品

    会葬御礼の品、香典返しの数も全てが終了してからではないと確定しません。これもまとまれば大きな金額となります。

まとめ

葬儀の費用には、
①通夜、葬儀の当日前に確定する金額と
②終了してみなければわからないものがある。
葬儀社のセット料金には全てが含まれてはいません
式場、火葬場、会葬者の人数を具体的にして
①+②の総額で「相見積もり」を取って検討してください。

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